interview-トップ対談

株式会社BXD 代表取締役社長 手塚 晃司
×
株式会社BXD 取締役 内藤 裕紀

ゲーム業界の動向と展望

——モバイルゲーム業界を取り巻く状況をどのようにお考えですか?

手塚:これまで市場には様々なプラットフォームが生まれていますが、ここ数年でかなり成熟してきました。でも、その一方で、似たようなゲームがどんどん増えて差別化の要素が少なくなってきています。ハイクオリティなゲームの提供はもちろんですが、もっと違うアプローチから新しい体験を提供していくことで業界としての上積みが必要と考えています。

内藤:ゲームそのものの難易度も上がっていますよね。その結果、ライトなユーザーが離れてしまって、ゲーム人口が減っている。全体の売り上げも横ばいですしね。だからこそ、多くの人にもう一度、ゲームを楽しんでもらえるようなアプローチを考えていかないといけないですね。

手塚:最近のネイティブアプリは端末の進化もあって非常にクオリティが高い。我々としては、そういうネイティブアプリと遜色ないゲーム体験を、もっと手軽に多くの人に楽しんでもらえると考えています。さらに、バンダイナムコグループが持っている商品群や店舗と連携させれば、リアルな体験をゲームの体験として移し替えることもできます。物を買ったり、どこかに行ったりといった日常の生活が、ゲームを通して一つの“遊びの体験”になるというのが、今、求められている新しいコンテンツだと思っています。

内藤:バンダイナムコグループは、おもちゃとか、お菓子とか、そういうリアルな接点がたくさんあるので、できることが多くなりそうだと思っています。期待度は自然と高くなりますね。

手塚:いろんなアイテムが連動して、一つのエンターテインメントになるっていう仕掛けは、ずっと始めてみたかったんです。今回の取り組みで、実現できるようになってきたので本当にワクワクしているんですよ。だって、ゲームクリエイターって遊んでもらってナンボじゃないですか。

BXDが提供する新プラットフォーム「enza」

——そんな中、BXDが手掛けるサービスはどのようなものですか?

手塚:ゲームって、1人でやるスタイルが多いと思いますが、今回我々が提供する「enza(エンザ)」というプラットフォームは、“みんなでどうワイワイ楽しめるか?”を一番に考えています。メールやチャット、SNSなどURLが送れるツールは市場にもたくさんありますが、URLをタップするだけで即座にゲームの世界に繋がることができるのが「enza」の大きな強みです。二次元バーコード付きの商品などお客様とのタッチポイントを豊富に持っている我々のグループの優位性も最大限活用していくつもりです。

内藤:インストールの手間がなく、端末の容量を圧迫しないのも大きなメリットですよね。海外進出の野望も、かなり早い段階から持っています。日本のインターネットサービスは海外での成功事例がまだ少ないので、数少ない事例の一つになれるように道を切り開いていきたいと思っています。「日本のゲームはやっぱり強かった!」と言われるような状況をみんなで作っていきたいですね。

手塚:使命感はありますよね。「enza」は皆さんからもすごく注目されていて、成功させる事がゲーム産業の未来を切り開くという強い信念を持っています。今回、「ドラゴンボールZ」、「アイドルマスター」、「ファミスタ」という、とっておきのIPをラインナップしていることからも本気度はおわかりいただけると思います。そのくらい勝負を賭けたサービスなので、挑戦する気持ちや、一歩踏み出す勇気を持った人たちと一緒に「enza」を大きくしていきたいですね。

内藤:ここ10年ぐらいの間に、ユーザーの嗜好が細分化されて、共通の話題がなくなっているじゃないですか。そんな中で、今回の「enza」は、多くの人たちのコミュニケーションの“ハブ”になっていけると思っています。「enza」を通して、みんなの生活が一層よくなっていくと嬉しいですね。

BXDが見据えるもの

——今後の展望について聞かせてください。

手塚:ネイティブアプリの市場は、ここ数年で急成長してきました。それと同じだけの成長力が、新しい市場にもあると思っているので、まずはそれを達成したいですね。また、「enza」という新しい体験が広まることで、協力していただける企業様も増えてくると思います。そういった方々には、ぜひジョインしてもらいたいですね。一方で、興味はあるけどノウハウがないという企業様には、我々がしっかりサポートをする。そうすることで、「enza」というプラットフォームがより広がっていくと思います。

内藤:そのためにも、「enza」で出来るゲーム体験をより濃いものにしていくことが大事ですよね。「enza」ならではの“遊び”を提供して、「enza」ならではのユーザーを獲得する。海外進出するにしても、まずは日本でしっかりサービスを確立させてからの話ですから。

手塚:「enza」はブラウザで動くプラットフォームなので、ゲームの体験だけではなく、いろんなエンターテインメントも一緒に楽しむことができます。例えば動画やショッピングといった、自分が欲しいと思っているものが同じプラットフォームの中で叶えられたら便利ですよね。コアなユーザーも押さえながら、ゲームから離れてしまった人たちも、しっかり取り込んでいけるのではないでしょうか。

内藤:お正月に初詣でおみくじを引くと思うんですけど、一人で引いても何にも面白くないですよね。みんなで引くから、「私は大吉!」「俺は中吉だ!」って感じで盛り上がれると思うんです。そういう「みんなでやったらもっと面白いよね!」っていう体験を「enza」を通してどんどん伝えていきたいですね。

手塚:新しいエンターテインメントを作る仕事って、一生の中で何度もあることじゃない。そういう意味で、我々はものすごく楽しい仕事をさせてもらっていると思うんです。正直、うまく行かないこともあるんですけど、そこで諦めずに一生懸命頑張れば、必ずチャンスが巡ってくる。“大変だけど、それにも増して、メチャメチャ楽しい”そのことだけは本当に伝えたいです。

  • 代表取締役社長

    手塚 晃司KOJI TEZUKA

    1975年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ゲーム会社を経て、2003年にバンダイネットワークス㈱入社。合併に伴い、2009年に㈱バンダイナムコゲームス(現 ㈱バンダイナムコエンターテインメント)へ転籍入社。「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」「ONE PIECE トレジャークルーズ」等のスマートフォンアプリをプロデュースするプロダクションの責任者を歴任。(現職:㈱バンダイナムコエンターテインメント NE事業部 第2プロダクション ゼネラルマネージャー)2017年8月に株式会社BXDを設立し、代表取締役社長に就任。

  • 取締役

    内藤 裕紀YUKI NAITO

    1978年生まれ。京都大学在学中の2001年に、有限会社ドリコムを設立。創業社長として成長を牽引し、2006年に東証マザーズに株式を上場。経営理念である「with entertainment~期待を超える~」のもと、ゲーム事業を主軸に事業拡大を図るとともに、インターネット領域における新しいサービス創出にも積極的に取り組む。2017年8月、株式会社BXD取締役に就任。